テレビ番組の党派性

読売テレビの「たかじんのそこまで言って委員会」と「ビートたけしのTVタックル」というのは、
出演者も一部かぶるし、なるほど、右翼にとってマスメディアに築いた橋頭堡の役割も果たしている訳だ。
司会者の裁量が大きいのかな。

それぞれ、視聴者人口の多い東京と大阪で大手局の人気芸能人が司会を務め、繰り返し繰り返し国民に訴えかける。

米国では、ときに司会者の個性が番組に強い党派性を付与するというのは聞いていたが、
日本ではこれまで知らなかった。もちろん、最初からこうだった訳ではないだろう。両方とも長寿番組だし、少しづつ権限を確立していったに違いない。

たかじんのそこまで言って委員会」の方は、橋下徹の府知事当選に少なからぬ寄与をしたのではないか。どうか。
だとすれば着実に実績を積み上げている訳で、「チャンネル桜あはは」とか笑ってる場合ではないのだろう。

個人的には、NHKが垂れ流す歯が浮くような「りべらる」番組が、国民の涙を絞り、反戦、平和主義にとって少なからぬ下支えになっていたと思うし…。番組の内容がいかに度し難く愚かしいと感じるものであっても、その影響力のすさまじさは無視できない。

だからどっかの国会議員がNHKの番組は偏向してるとかものいいをつけるとき「あんなしょうもない番組になにムキになってんの」という理解は間違っている。議員はテレビの影響力の大きさを、よく把握しているからこそ、インテリには滑稽に見えようと、強く抑えつけようとする。のほほんとしているのは、ロッキングチェア左翼ぐらいだ。ときにヒステリックに見える市民団体の抗議も、お高くとまったインテリどものボヤキよりははるかに切実な「前線」で戦っている訳だ。

もちろんああした番組の視聴者「層」は限られているはずだ、と希望的観測に逃げることはできる。しかし、テレビというものは、ブログのように同じ性向を持った仲間同士で完結したメディアではなく…まぁ言わずもがなだなそんなことは。