「お前は、俺の世界に存在しちゃいけない!」か…

うはははは


http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20081005/p2#c1224206676
さすがに付き合いきれないので、非表示にしました。>touhou_huhaiさん

だってさ。まぁ人間だものね。メンドくさくもなるし、ダルくもなる。実は私も、相手が耳を塞いでくれたおかげで、始めたことの責任をとらずにホッとしている。私って卑怯な奴さ。
そうさ。結局、彼を救えなかった。こうして心を閉ざしてしまったのは、私が、呪術をおおまじめに信じ込む滑稽さに苛だちを抑えきれず、傷付きやすいナイーブな精神をほぐしてやれなかったからだ。彼が悪い訳じゃない。誰だって、しつこくからまれれば殻を閉ざす。人の心は貝のようなものだ。

ま、世の中には、これで「勝利宣言」をする者もいるだろうが、私の場合はみじめな「敗北宣言」だな。相手を自分の世界から引き出せなければ、それでおしまいだ。彼はいつまでもあのモニョモニョした呪術に閉じこもって…いやそれどころじゃない。ああいう疑似科学が諸国を席巻し続けるんだ。

骨の髄までは疑似科学に取り込まれていなそうな若者ひとりどうにもできなくては、どうしようもない。

連中は一生涯、あの教義にとらわれて、世界のあらゆるできごとを、竜や妖精で「説明」しつづけるんだ。
でもそれがどうした?呪術師は、それを信じる大衆の尊敬を集め、これまで通り豊かで幸せな暮らしを送るかもしれない。一片の疑問も抱かずにね。私はその世界観にかすかな影を投げかけただろうか?それはずっとしこりになって残るだろうか?いや、彼は首をふりふり言うだろう「気にするな。忘れてしまえ。あれは無知な”素人”が口にしたたわごとだ。そうとも…それにしても今日は冷えるな。きっと雪の乙女が溜息をしているのだろう」とね。

例えば「竜の倒し方」を覚えても旱魃や疫病を止められないと、私が知っていたところでどうなる。呪術の信奉者は誰も耳を傾けないし、それどころか異端者として憎まれるかもしれない。いや、まぁ今は、狂人として侮られる程度で済んでいるから、かえって安全かもしれないな。

明日も、明後日も、彼等は流派同士の対立を続ける。それならば「どの竜の倒し方が正しいか」の議論をするだけで済むからだ。そもそも竜の倒し方を考えても意味はないなど、誰も指摘しないから。いや新理論を編み出した俊英が「本当に倒すべきは巨人だ」とかぶち上げるかな。

あと3世紀…いや4世紀も経てば、社会が残っていれば…きっとよくなる…いやどうかな。呪術というのはどんどんはびこっていくからな。しかし、いつか。いつかは。いや、そんないつかは永遠に来ないか。

…付き合っていくしかない。呪術と。人間の心はどうしようもなく弱い。弱さを克服したりはできない。
私なんて最もしょぼい心の持ち主で、呪術を信じる者とはまた別の意味でダメダメじゃないか。

そう。だから呪術も認めてやらなくては。だいたい呪術の支配する世界で、その信仰を奪いとったら、彼はどうやって生きていけばいいんだ?地位も、自らへの誇りも、尊敬も失って、私のような地を這う異端者の身分に落ちるんだ…そっとしておこう…。真実は幸福ほどに価値のあるものではない。