CAM評価は文部科学省がやることにもう決まってるのか…

■「代替医療」ではなく「ニセ医療」と呼ぼうキャンペーン
http://d.hatena.ne.jp/DocSeri/20090325/1237947657#c1238112416

1.大丈夫そうな代替医療を列挙してほかはダメということにする(ホワイトリスト
2.ダメそうな代替医療を列挙してほかはとりあえずグレーとする(ブラックリスト

だと後者で行く訳ね。うーん。「有害サイト」問題でもどちらにするかキャリアなどで激論が交わされたっけ。
どちらを選んでも、統一した基準が必要になるね。大変だ。

ところで、もうすぐ終了する政府の「科学技術基本計画」(第3期:2006年度―2010年度)では、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の4分野に特に重点を置くとしている。

そのうちライフサイエンスの分野別推進戦略を見てみると…
http://www8.cao.go.jp/cstp/kihon3/bunyabetu2.pdf
(33ページ目を参照)


科学的評価に基づいた統合・代替医療活用に向けた研究開発


【重要な研究開発分野の概要】
漢方、鍼灸、整体などの療法やこれらを西洋医学と統合した療法について、その有効性の科学的評価と活用に向けた研究を行う。


【研究開発目標】○:計画期間中の研究開発目標、◇最終的な研究開発目標


○◇2010年までに統合・代替医療の有効性を科学的に評価する普遍的手法を開発する(文部科学省
○◇2010年までに国内外で行われている統合医療に就いて、その内容や経済的評価を調査し、その把握をする(厚生労働省
○◇2010年までに現代西洋医学との併用により、その効果を高めたり、新たな効果を示す統合医療の例を示す(厚生労働省


【成果目標】
◆2015年頃までに医療の安全、質及び信頼の確保等を通じた、より質の高い効率的な医療サービスを提供する(文部科学省厚生労働省

とある。なんだ。だったら、ベテランのニセ科学批判者が教えてくれればいいのに。まったくケチだな。
2015年頃には、研究の成果を、医療サービスに応用する考えか。
文科省が評価を担うのって、なんか違和感があるけど、そういうものなんだな…。

【追記】2009/03/27
日本補完代替医療学会と同じ金沢に本拠を置くNPOで、NCCAMの文書の翻訳なども手がけているSRCAMという組織のサイトに、多田富雄(さすがにこの名前は知ってる)の文章が載っていた。


代替医療のゆくえ
http://www.jcam-net.jp/srcam/yukue.html
伝説的な薬物や民間療法を無批判に受け入れていいというわけではない。根拠のない治療法がマスコミを通じて流布され金もうけの手段となったり、病者の弱みにつけこんだインチキ療法が横行するようになったら代替医療は失墜する。
 私はこういう問題に対して、厚生省や医師会が介入してくる前に代替医療に関係しているさまざまな領域の当事者たちが、問題性を自覚して互いに徹底的に議論し合う機会を持つ必要があると思う。そのためにこそ、学会や研究会があるのだ。サギまがいの商品を排除して、共通の理念を持った新しい医療体系を確立する努力をはじめなければなるまい。
 代替医療への関心は、いま欧米でも高まっている。西洋医学の高いレベルを誇り、同時に東洋医学の伝統を併せ持つ日本の役割は大きい。代替医療が新しい医療体系として確立されるまで、先入観を排除し、問題点を出し合い、議論し合いながら、共通の学問と医療の理念を生み出す努力をしなければならないと思う。そうでなければせっかくの経験の宝庫が、再び闇(やみ)の中に戻っていってしまう。
強調は引用者…。そうだよ。そう思うよ。やっぱり厚労省(旧厚生省)や医師会が介入してくる前に、新しい医療体系を確立できたらよかったんだよな。
でもそれは夢。理想に過ぎないのかな。米国だって結局「お上」が膨大なCAMをさばく機関を作ってしまった。
やはり、有志の集まりでは非力なんだよな。

【追記】2009/03/27

いや、「非力でない場合」も考えなくては…かの東京女子医科大学が中心となったIREIIMSなる研究機関がある。