授業料「以外」に保護者が払うカネ(2009/03/12)追記あり

これとか読んで以来、どうにもニセ科学じゃなくて、教育問題に頭がずれてしまって。うむ…作業が遅れてお恥ずかしい限り。日高教の調査は色々面白い内容だで…。2007年度調査では入学初年度のかかりに注目しているのだが…

例えば全日制の高校で、親が初年度に学校へ払うカネは平均23万4420円だが、そのうち半分弱にあたる10万9957円を入学金と授業料「以外」のカネが占めてる。なにかというと「PTA・生徒会費」「修学旅行積立金」「部活動振興費」。

また学校に払うカネとは別に「制服」「体操着」「教科書代」「副教材」などの各自購入品が男子で平均8万887円、女子で同8万9110円。このうち制服代は男子4万313円、女子5万913円。学ラン萌えとかいってて済まなかった。

公立でこれはきついなぁ…。まぁこれに私立だともろもろ高くなる上、ン十万という寄付がとられるのでありますが。「あ、ぜんぶ合わせても俺の月給の4分の1じゃん」っていう方と「俺の月給の2カ月分じゃん…」ていう方とおられると思うが。2007年で年収200万円以下の給与所得者が1032万3000人おりまして(うち男性263万5000人、女性768万8000人、PDF)。日高教が挙げている授業料滞納理由として1番多かったのが父子家庭、母子家庭と考えますと…うーん。

1年のときは、親も必死こいてこれだけ揃える…2年のときもなんとか払う…3年で息切れ…とか。単純に授業料の滞納率だけみてもあかんかな。とはいえ、日高教の調査は設問項目がコロコロ変わるので遡及して比較するのがちとな…。

もちろん教師側に対して「額面どおり払ったらいくら」と聞いたアンケートなので、保護者としては不要になった学生服や教材のバザーも利用しようし、色々とやりくりを付けてはいると思いますが…。

なお、高校進学率は07年で97.7%(通信制を除くと96.4%典拠)、08年は97.8%(通信制を除くと96.4%PDF)。まぁ、まだ中国なんかにゃ負けねぇ。日本はまだ富国強兵でやれる。技術屋の頭数も、学者の頭数もそろえられる。

ところで公・私立高等学校における中途退学者数等の状況調査って平成16年度までしかないのはなんでなんだぜ。あと、中途退学者はやっぱ、ヤンキー多いねんな。ヤンキー萌え。

【追記】2009/03/13
id:cham_a制服は傷みが激しいからお古というのは難しいんじゃないかな
そうでもないんだ。というのは、俺が通っていた高校でよくPTAのリサイクルバザーの通知が来ててね。体が大きくなって着られなくなった子の制服とかを集めて、保護者向けにやってたんだ。当時は「当学関係者以外の参加をお断りします」っていう但し書きの意味がさっぱり分からなかったが、汚れた今なら分かるぜー。ブルセラ感覚で参加しようってやつがいるからなー。…そういう奴等のBBSとか情報がけっこう充実してんだこれが(´д`;…え?いやそれ以上聞くな紳士だろ。えーとヒント。あなたの子供が進学予定のある「ガッコの名前」+「PTA」+「リサイクルバザー」で検索してみるとよい。

あと、教科書や副教材の改訂内容がさほどでもないと、古いのを使いまわしたり、(山川の歴史用語集とかさー)。色々やるんだよ親は。たとえちゃんと金持ってて私立通っててもやる。むしろ中高一貫の私立の方が多いような印象があるな。学生服のバザーは。

これを目にする人のどれくらいが高校生の親になるか知らんけど、一ついえるのは、実際に子供を高校にやると、公立の初年度負担31万円?44万円?はぁ?んまもんで済むわけねーだろってレベルのカネのかかりようだよ。まぁ普通にいってその2倍だね。あと私立は別次元。その年ごろの子を持つ親になれば保護者同士の情報網もあるし、同じ層が集まるサイトだって見つかるから、だいたい掴めると思うけど。しかし色々考えるのは大抵、母親みたいだね…なんでだろうね?教育費の計画には父親もしっかり参加すべきだよね。まぁ俺は結婚できないルンペン・プロレタリアートだから関係ないけど。

ちなみに、うちの子は絶対「公立」って思ってても、立ち塞がる「内申の壁」がある。そこそこ貧乏でも裕福でもない普通の家庭が、たぶん、はてな界隈ではまだ一番多いと思うけど、そういう家庭がいっちゃん迷うのは、この内申の壁。子供が勉強できても、先生に嫌われたら内申がんがん下がるから。俺が教師ギライなのはあの内申ってやつでさー。すべて教師の胸先一つで決まるんだもんな。試験成績で100点中80、90とったって授業態度がよくなけりゃ「3」だべ。もうちっとできが悪ければ、劣等生扱いはあっという間だぜ。中でもヤンキーがいっちゃん救われねぇ…俺あいつらつくづく嫌いだったけど。
公立の高校って内申でランク分けされてて、教師のよい子な「羊」は成績によって学区内トップかナンバー2に、ほかは中堅どころに、個性が強くて教師に煙たがれる子「山羊」はヤンキー「狼」と一緒に底辺校にぶちこまれる。学業が優秀で、たっぷり塾や家庭教師に金をかけられるなら国立へ行く道もあるが、そうでなければ内申より試験に比重を置く私立は結構しかたない選択肢として出てくる。そこで結局は資力の問題になるけど。

無理をしてでも、底辺校に送られるよりは、私立の進学校にやらせたい。そうしないとぶっちゃけモヤシ小僧なうちの子は命が危ないし、多分、将来を切り開くのも無理っぽいって状況が迫ってくる。だから「払いきれる自信はないけど、なんとか…」って考えて賭けに出る親はいるんだよ。エゴといえばそれまで。だけど俺はそういう親のエゴを否定できない。雌ライオンが牙を剥いて理も非もなく子供を守るために戦う姿はモンスターだって、ドン・キホーテだって、生きることの本来の姿だ。「世間」のためにかっこつけるより、子供のために理不尽な怪物になる方を、俺は肯定する。そして、親を怪物になるまで追い詰めるような社会こそが、なにげないようで真の怪物で、そういう真の怪物は、歴史上ごろごろして、一度も退治されたことがない。この日本においてさえもだ。
今また、怪物は暴れ出そうとしてる。

あ…なんの話だっけ。そうだそうだ。私立高校の授業料滞納率が2008年3月末→12月末で0.9%→2.7%に、人数は7827人→2万4490人とほぼ3倍に増えたっつー話(典拠)だっけ。