ニセ科学対策の方法論

実態として、ニセ科学批判はユルめの仲良しサークルだ。そして組織化の試みは、Japan Skepticsによって失敗している。またニセ科学批判の組織化に強い意欲を持ち、かつ十分な知識を備えた人物を欠いている。情けなさ、幻滅、歯ぎしり、軽蔑、ダメだこいつら…などに意味はなく、それはそれで現実として諦めよう。なお「と学会」についてだが、アレはなかったことにして考えを進める。

組織化が困難であるなら、方針を変えよう。運動の組織化は手段であり目的ではない。

組織化の目的はなにか。実際に念頭に置いていたのは…

A)ニセ科学批判者が肩書きを手にし、公の場でより大きな顔をして発言ができ、影響力が増す。
B)分散した知識を集めて整理し、後進の教育に生かせる
C)ひとりひとりではできない大がかりな調査や被害者救済ができる

これらのことをほかの形で実現すればいいのだ。特にBについては、個人の能力で達成できる。すでに誰かが始めているかもしれない。それを待てばいいのかもしれない。Cについては、既存の組織を利用し、被害者団体や消費者団体の目を「ニセ科学」というまとまった概念に向けさせることで、包括的な対策をとるよう求めていけるかもしれない。つまり、調査の実施や、より広く開かれ、網の目の細かな被害者相談の窓口の設置などを期待していけばいい。具体論に入ると…

…いや…正直にいえば、俺が望んでいたのは、ペシャワール会やジャパンハートのような立派なNGOを見つけて、少ない蓄えからほんのちょっぴり寄付をして、ニセ科学の問題に取り組んだ気になって、被害者を(今この瞬間にも)見捨てているという罪悪感から逃れることだ。

俺は、自分の過去のエントリにコメントを付けている人々のように、誰かを「叩く」ことにたいした喜びを感じない。口げんかに凶暴な快感があるのは認めるが、あとでいつも時間を浪費した自己嫌悪で吐きそうになる。それでも誰かにつっかかるのは…いってみれば、あんたらがちゃんとやっててくれれば、俺はただカンパするだけで心の平安を得られるのに。みじめな日常を守って、どんどん貧乏になりながらだって、自分のことばっかり考えてる訳じゃないと思えるのに。昔は逃げたけど、今は身代わりに戦ってくれる組織があるんだ。だから俺は悪くない。自分のことだけで生きてても悪くない、と。

ところがどうだ。上記のコメント欄に沸くような連中、これがニセ科学批判者の現状なんだ。なに一つ期待できない。歴史修正主義の反対者たちの前で味わった幻滅と同じだ。こいつらは勇士でもなければ賢者でもない。最悪なのは「そうなろうとする努力をやめちまった」ってところで、つまり他人に希望を与えられない、狷介な理想の残滓なんだ。つまり一つの正義が、善意が、形にならず失敗し、ヒネクレた先例を目の前につきつけられる。精神衛生に、はなはだよろしくない。

「なんとかしてくれ」「状況を変えてくれ」と求めても、「君らはなにも分かってない。我々がどんなに長いあいだ活動してきたか」「その知識は膨大で」「部外者には分からないだろうが」そして言い訳、言い訳、言い訳のオン・パレード。苦労話。最後は自慢。老醜とは年齢ではなく、意気を失ったときに表れる。

もし俺にかなうなら、こいつらの頭から、積もり積もったサークル内のつまらないエリート意識、挫折感、理解されないという孤立感、それ故の内向性と攻撃性、すべて引っ張り出してどこかへ捨ててやりたい。

いかなる挑戦に対しても退かない誇り高さ、誇大妄想とすれすれの英雄願望、後先考えない行動力、つまり「若さ」と呼ばれるものを蘇らせて、燃え立たせてやりたい。

だができない。俺が持ってないものを、相手に注ぎ込むことはできない。もっと、むこうみずで、ぐいぐい彼等を引っ張っていって、高みへ引き上げていくヒーローやヒロインが必要なんだ。んなもんいやしねぇマンガの中だけだっ…てこたぁねぇ。そういうやつが恐ろしく危険な場合もあるが、今は必要なんだ。

【追記】2009/03/07
もう沢山だ。ごっこ遊びは沢山だ。薄汚い米国の戦争でもチベット問題でもウイグル問題でもチェチェン問題でもコンゴ問題でもスーダン問題でも。中でも俺にとって深刻な非正規雇用のどうしようもない末路でも、なにもかも役に立たない。狭い部屋で仕事道具のパソコンにかじりついて、思い出したように政党の講演会に足を運んで、つまらん寄付をやり、会ったこともないお偉方に手紙を書き、電話をし、なにもかも役に立ってない。

俺の心に手軽な平安をくれ。まともに活動してるヤツが1人でもいれば、そいつにすべて任せて、忘れたいよ。本当のニセ科学批判者、なにかを変えられる力を持ったニセ科学批判者を教えてくれ!そうしたらもう黙る。本当に黙る。1人でいいんだ。たった1人でいい。そうしたらつぼ八で酒飲んで、あー将来が心配だとかクダ巻いて寝るよ。そうするよ。

【追記】2009/03/07
なんちゃってウソウソ。適当に生活に支障が出ない範囲でやるずら。んだんだ。