今の生活が苦しいから気になるのかな

本当に大切なことは沢山あるのに。
現実逃避がしたいのかな俺は。ああ。分からない。ただ、空疎なゴタクを眺めていると、辛い今を考えなくて済むかもしれない。

努力しない人を国家が救済すべき14の理由
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20081214/p1
例の海外に工場を移転すれば労務問題にカタがつくみたいなコメントを付けてた子か。
ふっ…存在しもしない国の、存在しもしない妄想か…のどかでいいね。
まったく現実感がないところが、実にいいんだろうな。
http://b.hatena.ne.jp/entry/http%3A//d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20081214/p1
はてなブックマークでも大人気だ。実に書き手と読み手の「均質さ」が愛される理由なのだろうな。

そうだな。我々が、少なくともこの俺が生きている国は、どこもこんな原理では動いていないし、ネット上で楽しくゴタクを交換してる幸せな連中を除けば、誰も信じちゃいない。いや、彼等自身も信じてはいないだろう。自分たちは常にドロップアウト組”ではない”というメデタいメデタい連中。その理由づけが”オレは努力をしてる”だもんな。すべてを失ったあとで、戦う気力も失せて、絶望の空を見上げるころには、もうこのゴタククラブへの参加権を失っているだろうがな…。

まぁ国家は、努力をせずとも家柄や階級に守られた人々を救済する。多くの庶民の犠牲によって。

貧しく、努力をしない者、できない者(生まれながらの障害者、事故や病気によって)は常に見捨てられる。そこかしこで絶望のうちに死んでいる。
我々は指一本動かさない…。なにひとつしやしない。本当になにひとつしない。税金を納めている。それで「国家がどうたらこうたら」と言って、なにかした気持ちになる。「努力しない」連中だ。その努力のしなさを、ゴタクによってつくろう連中だ。ああ、オレもそうさ。今のところはまだそこに引っかかっている。もう落ちそうだけどね。

だが「他人を救うために努力する者」はいる。彼等は、その人間がなぜ不幸か、ではなく、どのように不幸かを気にする。
そして、自らの力の限り、貧しい者、病める者、苦しむ者、絶望のふちにいる者を救おうとする。
その根本原理は人間の魂の善良さである。その善良さが人間を、人間ならしめている。
その数は少なくとも、その姿勢は、本来は無関心であるはずの人の心さえ打ち、大きな力となって、社会を動かす。

こうした「努力家」たちが聖者だとはいわない。ときに愚かであり、間違いを犯し、敵も作る。名誉欲や権勢欲と無縁ではない。
しかし、努力しない連中とは一線を画する。努力する。社会のために、他人のために。救えもしないこの世の中を、救おうともがいて。
他人を救おうと努力しない連中には分からない。なぜなのか。なぜそんなに必死になり、自らの破滅さえ引き込みかねない活動に身を費やすのか。
利より損が多い役回りを引き受けるのか。偽善か。宗教か。売名か。そうかもしれない。裏があるはずだ。きっと裏が。

だが彼等は努力するのだ。そこが「国家が努力しない者を強制して他人を救わしめねばならない理由」だったか?といったゴタクを垂れ流す連中との違いだ。

1つの答え。1つの答え。無数にある中の1つの答えが、ここにある。
そう。あなたに子供がいる。子供が熱を出し、とても苦しそうにしている。あなたはそこでその子を救うための14の理由を探すだろうか?
子供は自分の老後を面倒みてくれる。子供は心を慰めてくれる存在だ。子供を見捨てる親の社会的地位はどうなる。そんな風に?

ああ。子供を遺棄する親はいる。そんな親はいるんだ。14の理由があっても、一部の親は子供を死ぬに任せる。
ゴタクはなに1つ役に立たない。損得でおどし、かしいだ積み木の塔のような理屈を建てて、いくら歌っても。
人間の優しさ、慈しみ、憐れみ、愛情、そういったものを忌避して、追い詰められたものを救う理由を探してもムダだ。
誰の役にも立たず(いや、ゴタク屋どもが気持ちよくなるマリファナ代わりにはなるだろうが)

人間の情。それはもろい、弱い。たやすく偽れる。
だが、それだけが、それこそが、この苦しみの中で、希望を見出せる一筋の光だ。

それを”恥”と思い、そこから逃げ回り、その代替品を必死に探し回るような連中は、ただ一つの光を己の中で弱め、くすませ、失わせてしまうんだ。
そして言葉によって、他人の心の光をもまた、弱め、消し去る。
そのあとに、14の理由が残っても、それはもう誰も救いはしない。

【追記】2008/12/15
しかしこの手のユルフワな妄想を垂れ流す人種が、自分の地位を十分に安泰にするほど「努力できている」とは思えないんだが、ひとごとながら不安になる…とはいえ、彼等は現実にはゴタクと同じような行動はとらない。工場の海外移転の是非を判断する立場にはならないし、雇用対策や救貧活動を指揮したりもしない。だから絵空事をいくら論じても安全なんだ。「So... tell me GATSUN」なんてならないからな。その辺は心得ているんだろう。

それは社会にとって有益でもあるし(少なくとも誰も泣かずに済む)、だからこんなゴタクに神経をささくれだたせて、オレがわめいてみたって。何の意味もない。ああ。ああ。苦しいな。本当に苦しい。自分も他人も救えない。いや、能力のせいじゃない。努力が足りないんだ。オレだってそうだ。他人も、自分も、救うために努力をしなきゃいけないのに。