P4Pなぁ…

国民皆保険制度がわりとうまくいっていた理由
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20090310
質のよい医療を提供する施設には診療報酬が加算されるという制度が「名医もヤブも同じ値段かよ問題」を、ある程度は補っている
P4Pなぁ…「加算」を増やす一方で、診療報酬そのものを減らす動きになれば実質「減算」だべな…。
「病院がある様式に従っていないとロクにカネをもらえないようにする」ってのは、今までもそうだったといえば、そうだけど。要するに分かりやすくいって「お役所主義」ってやつじゃねーのかね。まぁこの場合、患者にはどうしようもないから、別に医師がP4Pもアリっていうのはそれはそれで…いや…ぜったいめぐりめぐって患者にしわ寄せが来るんだべな…。

「いいから年寄りは出て行けここは養老院じゃねぇ加算」とかで名医とヤブが分かるならすげーけどなぁ…。

国民皆保険制度がうまくいっていた理由。人口構成で高齢者が少なかったから。医師会が銭ゲバ職能団体として十分な運動をする途上にあり、製薬会社と医療機器メーカーが銭ゲバ新技術開発に今ほど熱心ではなく、MRがガリガリ稼ぐ制度未整備で、国民の医療の絶対視医療に対する要求が今ほどきつくなかったから。

そしてコストパフォーマンスね…レセプトが分かりやすく簡単になると医療品質低下医療高額化(だよね)の危機が!?。ばかな…そんなことがあっていいのか…いや…意外といえるかもしれない…レセプトオンライン化はんたーい!レセプトオンライン化はんたーい!あ、たぶん、受理するお役所がわにとっても、込み入ったレセプトは嫌だろうなぁ…そういう逆インセンティブみたいのがあるのは患者としては想像できるお。…でもレセプトオンライン化で簡単になる見込みなんて想像できないお…NでEでスィーな会社のアレとかまじであんなん正気で使うやつがいんのかよプゲラ…と思ったけど医療従事者はあれでも楽になった方なのか?毎日が確定申告みたいな世界だな。

ま、民間保険の推進側(とかいうと、そんな人実在するんですかねー?とか聞かれちゃうんですけど。はいはい。よかった、そんな人はいなかったんだ…)にとっては、「ふーん。でも厳しい審査が、気軽に高ぇー医療をやることを抑えるなら、別に民間でもできるよねそれ?むしろ民間の方が儲けからむだけに必死になってよくない?よくない?ね?」とかって来るんだよねー。まぁ民間医療保険が、国保の縮小した分、とって代わるんじゃなくて、国保営利企業化していくんじゃねーかと最近気づかされたけど。

あれ…やらなきゃいけないことなんもやってねーな…。

【追記】2009/03/12

こういうとき問題になるのは、上記の引用記事にある「三角関係」のプロセスで、実際のところ診療報酬をネゴしてるのは役所と医師会であって、患者はそこに加わってないってことだよな。P4Pにしても、あくまで医療機関←→役所で評価したりされたりが完結していて、患者の評価は間接的にしか採り入れられない(あるいは間接的にも採り入れられない)

しかしこうした問題で、「専門家」つまりは医師か役人かの意見がだいたいにおいて尊ばれる一方、「素人」患者の意見はあまり反映されない。
これは医師にブーブー言ってもしょうがないんであって、患者が何らかの市民団体を通じて、医師や行政と戦っていくしかない。
ところで、医師と行政がお互いくっつきあって、モメながらも体制がぶっこわれないようにバランスをとっているのに比べ、市民団体はそういう癒着構造というか、持ちつ持たれつみたいな世界にうまく溶け込めないので、あんまり一生懸命やりすぎると、病院を破滅させてしまう。

いやぶっつぶれてほしいクソ病院とかクソ医師とかたっぷり見かけたし被害にあったし(JCQHC認定んトコ)、その一方でいとこに医師が幾たりかいて、親戚筋に病院経営もいるけど(儲かってねーんだってさ。けっ。いい暮らししてるくせに)、んだけど正直、医師ってだいっきらいなんだけど。てか医療過誤の被害がなくても医師とか、教師も弁護士も、日常的に仕事上の相手に対して偉そうに振る舞うことになれている職業のやつって嫌いなんだけどさー。(いちばん嫌いなのは社会保険事務所のニーチャンネーチャンたちだ。いや、警官の方がもっと嫌いだな)。特に医師はこちらの生殺与奪権をにぎる訳で(本人たちが握りたいかどうかはともかく)、それで医療過誤とかパコパコやられるとたまらん訳ですよ。診療科ごとに1時間単位で同じ部位のレントゲン撮ったあげく、誤診して緊急手術とか…まぁ色々な…。

俺の場合は、同居してる身内は死なずに済んで、とらんでもいい臓器を一個失くすことになっただけで済んだけど。大切な妻と子を医療過誤で奪われた夫だったら、もはや「社会の維持」なんかより「愛する者の命の贖い」を求めるし、もう正義とか道理なんてどうでもいい、どんな悪党に堕ちてもいいから、すべての手段を尽くして、過誤した医師に賠わせてやる!とか思うかもしれん。だけど。それでも。なんつーか。医師や教師や弁護士は、それなりに社会に必要なものだし、消費者団体が企業をのきなみ潰してはならないように、どこかで自分の怒りの衝動を抑えなければならないし、相手の事情も汲まねばならないし、社会の破壊者として孤立するよりは、タフネゴシェイターとして、医療の評価者として、折り合っていった方が、結果的に被害を防げるかもしれん。将来、誰かが同じ目に遭うのを防げるかもしれん。という選択肢を選んでいく医療過誤の被害者もいるんだべ…俺にはマネできないかも…。

なんの話だっけ?要するに、P4Pの導入にあたっては、患者目線の評価を「お上」に取り入れてもらうんじゃなく、独自に持てるようにならないとね。

あ、かれこれ10年以上も前の古い記事なんだけどさ「連載 市場原理に揺れるアメリカ医療(10)まぁこの書き手もあんま好きになれないいや、いいんだけど。


後戻りできない? 医師・患者関係

 カリフォルニア州神経内科医ビンセント・リカルディは,さらに過激な方策に訴えようとしている。彼は,医師・患者関係は後戻りできないところまで変質したとの認識に立ち,「アメリカ医療消費者」という新たな企業を設立した。患者の利益を代弁し,医師を相手に患者のケアについて交渉する「個人医療アドバイザー」のサービスを提供するというのである。
 アメリカ人にとっては,自分の利益を代表するために専門家を雇うことは突飛な発想ではない。例えば,住宅の売買にあたっては,売り手買い手双方とも弁護士を間に立て,手続きに不備がないよう,そして相手に騙されないように,高い弁護士手数料を払うことを厭わない。医師が患者の最善の利益を追求するということが信じられなければ,自らの利益を代表するために医師と渡り合うプロを雇うという発想は,極めてアメリカ的なのである。
 リカルディ医師は次のように説明する。「これからの患者は医師に対する対決姿勢を強めていかなければなりません。もはや,医師に対する信頼感などというものは消滅してしまったのですから,医師と対決したところで失うものなどなにもないからです」。

で?その企業はどうなったわけよ?とか思うけど調べられなかった。

中国では、医師は、不満を持った患者の襲撃を恐れて武装して自衛したり、護衛を求めたりするっていうけど。

俺は患者の方に感情移入するし、医師が自らの立場にたって社会に不当を訴えると、冷ややかな思いを禁じえないし、「モンスター患者」「野良妊婦」とかしたり顔でいわれると、いっそ本当に怪物になりたいと思うけど…まぁそのなんだ。

どこかで妥協点を見つけなくちゃな。

俺も産科で無事生まれたし、適切な喘息の治療を受けられなければ、今の生活はなかったんだから。